なんでも屋 神…第二幕
「追いかけてどうする?殴ってもこのクラブは返ってこないぞ。」



口ではそう言ったが、奏の憤慨は尤もな話しだ。



奏がプロデュースした[four-rose]に対する貢献度は、枚挙にいとまがない。



利便性を追求した造りに、至る所に遊び心が隠され、奏のセンスと言う名のエッセンスが、ふんだんに盛り込まれている箱だ。



しかし、数年前迄なら、俺も奏と一緒になって追いかけていたはずだが、良くも悪くも大人になったという事なのかもしれない…。



願わくば、俺がメインで屯していた頃に眺めていた、無気力な機械のような大人に成っていない事を願うが、今の所そんな心配は無用なようだ。



「…分かってるよ。分かってるけど、これじゃ俺が用済みになった客寄せパンダみたいじゃねーか…。」
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