なんでも屋 神…第二幕
左肘と左肩…結果は互角のように見えるかも知れないが、奇襲を受けた時、瞬時に対応出来なかった分だけ、俺の負けだな。



「大丈夫か神?」



左肩を押さえて立ち尽くす俺に、一葉と秀太が走り寄って来た。



こういう時、闇雲に追撃をかけない秀太は、ペインターを仕切っていた長としての冷静さが有る。



「大丈夫だけど、一応谷口の所に行っておくか。」



無言で頷いた秀太は、そのまま離れて行き誰かに電話をかけ始めた。



やはり、秀太は頼りになる…。



左肩から流れ出る血液は、じわじわと衣服を赤黒く染め、指先から滴り落ちてコンクリートに黒い斑点を作っていく。
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