なんでも屋 神…第二幕
口の先を尖らせたノリから手渡された携帯は、二回目のコール音が終わる間際に繋がった。



「何だ辰徳。」



兄貴を弾かれても待てを言い渡されている子飼い達は、堪えきれない怒の感情を必死に抑えようといる。



「神だ。二人は未だ何も話そうとしてないだろう?そうだな、黒いカーゴパンツの方を出してくれ。」



俺へ最初に飛びかかってきた男。三人の中で、唯一素人っぽさが抜けきっていなかった。



残りの二人は、恐らくノリと同じ裏の住人だろうが…。



電話口の向こうでは、ガサガサと擦れるような音が鳴り、暫くすると口で大きく呼吸をしている音が聞こえてきた。
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