なんでも屋 神…第二幕
靴を脱いで上がる訳にはいかず、ゴムソールと廊下の着地音に、細心の注意を払いながら進んでいく。



左手に見える襖の閉められた部屋にノリを残し、眼前に在る二階へと続く、狭く急な階段を上る。


安全装置は既に解除し、何時でも引き金を引けるよう、血の通っていないように冷たい人差し指をトリガーに添えた。



階段の軋む音が、俺の背骨に緊張と不安感を伝わせ、弥が上に(いやがうえに)身体を硬直させる。



上り切った先には部屋が三つ。



一つずつドアを開けていくが、どの部屋も蛻の殻。



…既に逃げられた後だろうか…。



全てフローリング張りの三部屋を後にし、焦燥感と屈折しそうな思考を天秤に掛けながら下っていく。
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