なんでも屋 神…第二幕
「…止めた止めた。こっちの負けだ。大体、奇襲が失敗して契約金は半額しか貰えなかったし、命まで賭ける義理も無い。」



先程迄の獣の形相とは打って変わり、携えた葉巻髭を吊り上げた男は、あっけらかんとした表情をしている。



とは言え、また不意打ちを食らう訳にもいかず、俺とノリはベレッタとグロッグの照準を外さない。



「そっちのちっちゃいのが此処に居るって事は、海藤もやられたんだろう?俺の両腕が使い物に成らない今、無謀な事はしない。」



視線は直線的に俺へ届くが、信用して良いものか…渦巻く疑念と無抵抗な男の姿に、心中では葛藤が続く。



「雇われたのは[狼我會]か?」
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