なんでも屋 神…第二幕
「それは此処から無事に帰れると思っているって事だよな?そんな美味い話しが有ると思うか?」



今日のノリは普段とは気迫が段違いだ。



それも兄ぃを守れなかったと言う、深い後悔の念からきている事も分かる。



「帰してくれないって言うのか?隣の…確か神だったな?お前もそのちっちゃい奴と同じ意見か?」



余裕の笑みに浮かぶ二つの冷眼…屈辱と雪辱を果たしたいノリには悪いが、俺の意見は決まっている。



この男が言っている事に嘘は無い。母親譲りの冷たい思考がそう知らせる。



ならば、無駄な争いを避けるに越した事はない。それに、この後の予定も有る。



「いや、アンタ等二人は帰す。連れも後で解放する。だが、代わりに一つ聞きたい事が有る。アンタの名前は?」
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