なんでも屋 神…第二幕
第十五章
背後からのノリの問いかけにも上の空で、俺の脳内はさっき聞いた男の名前が反芻していた。



「さっきの男が影山…お前、彼奴がどういう奴か知ってるか?」



継ぎ目が軋むフローリングの廊下を滑らせるようにして、静かに歩みを進める最中、ノリからの掠れた小さい声に黙って首を横に巡らせた。



「完璧な裏の仕事屋だ。職種で言えば、お前の先輩みたいなものかな?金さえ貰えば何でもする。守りは勿論、殺しまで何でもな…。」



裏の住人と言うのは感づいていたが、仕事屋とは…世の中にはつくづく様々な仕事が有るものだと感心する。



先程の廊下を右に曲がると、曇りガラスが填め込まれた洗面所とユニットバスが有った。



もう、この家に部屋数は無い筈だが…。
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