なんでも屋 神…第二幕
俺自身、人様に誇れるような生き方などしていない…。



グレイゾーンで生きていると言っても、黒か白かで裁かれるなら、間違いなく黒。



そんな俺が断罪を下しても良いんだろうか…。



だが、これで明日から悲しいニュースを見る事は無くなった。



いや、誤魔化すのは止めよう。日向に向かっていった時から、心の中のどす黒い蠢きが産声を上げた事を、確かに感じていた。



心の奥底に潜む闇…危険を過敏に感知すると、奥底から現れて俺の精神を乗っ取ってしまう闇。



何時の日か、抑えきれなくなったその闇に支配され、この日向のように精神を破壊されたら…。



その時こそ、俺は真美の元へ行く時なのだろう。



未だ手足をばたつかせ、奇妙な高笑いを上げる日向の姿を、背中で受け止めながら二度と訪れる事の無い地下室を出た。
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