なんでも屋 神…第二幕
意気揚々と、自分の仕事が完了した事を伝えながら入ってきたのは萩。



俺はその声がする扉の方に視線を移した。



信じられないと言った様子で、内ポケットから震える手で携帯を取り出した金城。



それを瞳の端に止めて萩の方を向く。



「親父からの伝言で、両手両足の指二十本切り揃えて持ってきたら、[狼我會]の復帰を考えてやるとさ。」



恐怖感で指の動きもままならない金城からは、完全に視線を外した。



金城がこれ以上刃向かう事は無い。



そう高を括っていた…。



その証拠にこの時、携帯を見つめる金城が、ニヤリと口の端を吊り上げた事を見逃していた…。



「指二十本だとさ。どうす…。」
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