なんでも屋 神…第二幕
白く小さな鉄柵で囲まれた半田さんの家は、中規模な一戸建て。其れほど生活するに困ってはいなさそうに見えた。



コンクリートの階段の上に張り付けた、赤茶色と灰色のタイルが短いながら玄関まで続いている。



少し半田さんの家から離れ、そのまま二時間程バイクに跨り様子を伺うという、緩やかな時間が青海を泳ぐ白雲と共に流れた。



その時、遠目からでも厚化粧が見て取れる中年女性が玄関から現れ、示し合わせたかのように到着した、黒に橙のラインが入ったタクシーに、弛みがかっているその身を押し込んだ。



行く先までは半田さんから聞き出してはいない。ただ、決まった曜日の午後には家を空けるとだけ聞いている。



大方の俺の予想では、まずショッピングの可能性は低い。それなら決まった時間に出掛ける必要は無い。となれば、友人と会うかエステやジムと言った所と予想。
< 50 / 344 >

この作品をシェア

pagetop