なんでも屋 神…第二幕
フロアとは違い、蛍光灯が煌々とその光を放射し、熱に変えてグラスの中を泳ぐ氷の角を丸くしていく。



「俺だって、全てのドラッグに対して言ってる訳じゃ無い。黙認している事も認める。ただ、このクラブドラッグは性質(たち)が悪すぎるんだ。これには混ぜ物が混入されてるんだ。」



溶け出した氷の水分からテキーラを守るかのように、グラスを傾けて半分程流し込む。



食道から胃を流れて行くテキーラは、冷たい筈なのに食道や胃壁を燃やすように熱い。



「混ぜ物って、今でもPMAか?それとも他の不純物が混ざってるとか?」



PMA…訳すればパラメトキサンフェタミン。MADAには殆どと言っていい程、嵩増しの為混入していると聞く。



「違う。そんな生易しいもんじゃない…俺も詳しく調べた訳じゃ無いからハッキリとした事は言えないが、恐らく他のドラッグが混ざってる。このクラブドラッグは、一種のドラッグカクテルだ。」
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