なんでも屋 神…第二幕
「俺も神も、松や[cross]のメンバーと会わなけりゃあんな風になってたのかもな…。世間から見れば余計グレたって思われるだろうけど、心は更生したつもりだよ。」



照れを隠すようにグラスを一気に傾け、薄まったフレンチ・カクタスで喉を鳴らして飲み干す奏…。



「だから若い奴等には、せめて俺の店に来た時ぐらい、思いっ切り楽しんで貰いたいと思うのが普通だろ?そうじゃなきゃ、医者の道を投げ出した息子を、親父も認めてくれないだろうしな。」



奏は、本格的にこのクラブを立ち上げる事を決めたと同時に、それまで通っていた医大を辞めた。



俺としては腕の良い医師が誕生した方が、病気と闘う患者の為と思ったけど、今の奏は若い奴等にとってセラピストのような存在なのかもしれない。



普段なら恥ずかしくて口が裂けても言えないが、今ならはっきり言える。


俺の仲間は、格好良い奴ばっかりだろ?
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