Better half
――『どうしたの?』

えっ!?

その声で、私は我に返り、無言で右を見上げた。

『………。』

そこには、グレーと黒のチェック柄のズボンを履いた男が、私を見下ろしてる。

このズボンは、この高校の生徒…だ。

目にかかる位に伸びた黒い前髪。

おまけに眼鏡を掛けていて、表情がよく分からない。

それに、知らない他人の顔を、じっと見るのは苦手。

ボタンが三つか四つぐらい外れて開いているシャツの、胸元に光る細い金のネックレスに、自然と視線が行ってしまう。

『あっ…別に…休んでるだけです』

そう言いながら、胸元からも、目を外したけれど、何処を見て良いのか、定まらない視線には、


ペンダントヘッドの、アルファベット「£」が、残像になった。

『そう?なんか具合悪いのかなって思ったから』

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