告白
「どうした?
グループジュースじゃない方が良かった?」


ぼーとしていた私に清水くんが声をかける。


「ううん、大丈夫。」


手に持っていたグループジュースを、慌ててストローで飲みはじめる。


いつのまにか氷が小さくなっていた。


グラスをわたされてから、どのくらい時間がたっていたんだろう。


わかっていたのに。


清水くんの家が、スポーツクラブを経営していて、大きな家に住んでるって。


中学校で知らない人がいないほど、みんな知ってる事。


知っている事のと、実際見る事は違うんだね。


バスからおりて、すぐに着いた清水くんの家。


見上げる立派な門。


3階建ての大きな家。


芝生の庭。


三人いた家政婦さん。


広い清水くんの部屋。


うちとは違いすぎる。


「本当にどうした?
なんかうちに着いてからぼーとしてる。」


向かいに座っていた清水くんが、私の隣に来る。


今座ってるこのソファー。


私の部屋なら置けないね。

はは…、このソファーとテーブルで私の部屋いっぱいだ。


「言って。
今何を考えてる?
答合わせしよう。」
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