赤い愉楽
奥田は依然冷静な表情。



「実際に四月一日と書いて
ワタヌキと読む名字の人もいる。



そして夫はワタヌキはあなただと
メッセージをくれた。


私だけに解る
メッセージを」


一筋の涙が怜奈の頬を伝う。



奥田がゆっくりと笑い始めた。


その深い響きが
悲しい部屋の中に充満していく。



「なるほど…それで私に近付き


丸腰になる瞬間をねらって
ベッドに入ったというわけですか」

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