赤い愉楽
「この話の続きを聞きたいですか?」
絶対的優位に立った奥田は
いたぶる様に怜奈に言葉を投げかけた。
ところが怜奈は突然憎悪の表情を納め
かすかに笑った。
悪鬼を前にして怜奈は
天使の微笑みを浮かべる。
「ええ…聞きたいわ」
怜奈はそう言って
奥田を憐みをうかべた目で見つめる。
奥田の顔から笑いが消えた。
「あの人の最期の様子ならどんなことでも聞きたい。
たとえどんな悲惨なことでも」
そして怜奈は海辺で見せたような
とびっきりの笑顔を奥田に向けた。
「だってあの人を心の底から
愛していたから」
「ああ!話してやるよ!」
奥田は大声を上げる。
落ち着かない様子で
部屋を歩き回る奥田。
そして怜奈の前に立った奥田は
血走った眼で語り始めた。
「血を大量に吐き出した奴に
鬼軍曹はさらに何発も弾を打ちこんだ!
血の海でのたうちまわりながら
奴は怜奈の写真を取り出したんで
僕は取り上げてビリビリに
破いてやったんだ!
最後の希望を
破られた奴に僕はこう言ってやったよ!」
「それで?」
怜奈は表情を崩さない。
絶対的優位に立った奥田は
いたぶる様に怜奈に言葉を投げかけた。
ところが怜奈は突然憎悪の表情を納め
かすかに笑った。
悪鬼を前にして怜奈は
天使の微笑みを浮かべる。
「ええ…聞きたいわ」
怜奈はそう言って
奥田を憐みをうかべた目で見つめる。
奥田の顔から笑いが消えた。
「あの人の最期の様子ならどんなことでも聞きたい。
たとえどんな悲惨なことでも」
そして怜奈は海辺で見せたような
とびっきりの笑顔を奥田に向けた。
「だってあの人を心の底から
愛していたから」
「ああ!話してやるよ!」
奥田は大声を上げる。
落ち着かない様子で
部屋を歩き回る奥田。
そして怜奈の前に立った奥田は
血走った眼で語り始めた。
「血を大量に吐き出した奴に
鬼軍曹はさらに何発も弾を打ちこんだ!
血の海でのたうちまわりながら
奴は怜奈の写真を取り出したんで
僕は取り上げてビリビリに
破いてやったんだ!
最後の希望を
破られた奴に僕はこう言ってやったよ!」
「それで?」
怜奈は表情を崩さない。