赤い愉楽
奥田の独壇場は止まりそうにもない。


饒舌になった奥田は
得意げに話を続けて行く。


「足を打ち抜かれたあなたの旦那さんは
床をのたうちまわって


怜奈…ごめんと叫び続けていましたよ。


まあその姿の哀れなこと!


見てはいられないので
私は鬼軍曹に2発目を打つように命じました。


おっと…鬼軍曹というのは
あの店のマスターのことですよ。


汚い仕事を一手に引き受けてくれる
掃除屋ってとこですかね」


暴れる怜奈。


縛られた手首からも
うっすらと血がにじんでいる。


血が怜奈の両手首から流れ出し
怜奈の素肌を染めて行く。


「2発目は胸を撃ちました。
肺を傷つけたんですかね?


大量の血を
口から吐いていましたよ」



「殺してやる!」


怜奈は叫ぶが
虚しい言葉となって


部屋の中に響き渡るだけ。






< 143 / 377 >

この作品をシェア

pagetop