赤い愉楽
一瞬にして緊張が支配したこの空間の中
男は動じることもなく泰然とした表情。


「私は…」


先ほどの勢いとは一転して
か細い声で話しだす女性。


「あなた方に宣言しようと思っています」


その言葉ににやりとする男。


「それは…私にですか?
それとも私の所属する組織


警察に対する物でしょうかねえ?」


男は懐からくしゃくしゃになった
ピースの箱を取り出した。

煙草を口にくわえようとするが
ためらう男。
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