赤い愉楽
何にも知らない怜奈は
激しく被りを振る。


降り乱した髪が
怜奈の心持を表しているかのよう。


「知らない。何にも知らないのよ!
それよりもあなたはいったい誰なのよ!


いきなり私を縛るなんて
わけわかんない!」


泣きじゃくり下を向いて
嗚咽を漏らす怜奈の髪の毛を

強引に引っ張り


怜奈の顔を
自分の顔に近付けるクドー。


「あいつは俺がマークしてたんだ」


怜奈の目の前10センチにある
クドーの燃えるような瞳。


「あの殺された奴はワタヌキとつながっていた。


いや
もしかしたらあいつがワタヌキだったのかもしれない。


だが
俺が接触する前に…
あいつは殺されてしまった」


下を向き歯ぎしりをするクドー。
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