赤い愉楽
「あの人は違うんです!」


下を向いていた怜奈が
必死の抵抗を試みる。



「主人は真面目だけが取り柄の
人なんです!


あなた達のような怪しい人達と
知り合いなわけがない!


主人は…主人は…」


怜奈はクドーをにらみ返す。



「とてもいい人だったんです!」



その言葉を聞いて唇を捻じ曲げて笑うクドー。


「ほう…あんたあの殺された奴の
奥さんだったのか…」


そう言ったきりクドーは奥にある
キッチンへと入っていった。
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