ポケットに“チョコレート”2つ。
「一葉ねぇ、今日はアイスココアにしようと思って、牛乳持って来たんですよぅ!!もう夏ですからね、アイスココアー」


「…あのさ、夏だからこそ、牛乳は持って来ないでくれるかな?」


電車に一時間揺られて来たくせに、真夏に牛乳持って来てしまうし…

ちょっと?残念な頭な彼女。


もう慣れたけどね…。


以前は、こーゆー悪気の無い馬鹿なタイプが大嫌いだった。


何でも完璧にスマートにこなしたい俺は、こーゆー馬鹿の存在を否定したかった。


父親の浮気が原因で、家族は仮面を被った偽り家族となる。


その時から、上手く笑えなくて…一人になるのを好み、友達は離れて行った。


学校に行くと能天気な奴等の笑い声が聞こえて、疎ましく…図書館が唯一の居場所だった。


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