茜ヶ久保マリネの若気の至り
今でこそ天空宮市と言えば、自然と科学、機械と魔法、人間と異種族、人種と雑多な文化の坩堝として知られている。

気候も安定し、住人も温厚で気のいい者ばかり。

住んでみたい都市ランキングにも上位に名を連ねるほどの人気都市。

…けれど知っているだろうか。

5世紀も昔、この街は無法都市であったという事実を。

天空宮市に訪れる前には、遺書を書かねばならない。

そんな風に囁かれるほど、この街は危険極まりない土地だったのだ。

そしてその頃の私は、今と変わりない若さと美貌、今以上の強さを兼ね備え、この天空宮に勇名を馳せていた。

< 3 / 101 >

この作品をシェア

pagetop