茜ヶ久保マリネの若気の至り
「これで終わりました」

侍女が額の汗を拭いながら言う。

「痛みは2、3日中には完全に消えますが…傷痕は僅かに残るかもしれません」

「構わないわ」

さっさとボディスーツを着込む私。

そんな私に。

「構います!」

侍女は声を荒げた。

「マリネ様!どうかこのような真似はもうお止しになってくださいませ!」

彼女は眉をハの字にして、心底私を案じているようだった。

「マリネ様はご自分のお立場というものを、もう一度しかと認識してくださいませ!」

「わかっているわ。この人魚の国の女王。天空宮近海を統べる覇者よ」

スッと立ち上がり、侍女を見下ろす。

「その人間のような二足もおやめ下さい!」

「二足でなければ戦闘の際に後れをとる」

「よいではないですか!戦闘などしなくとも!」

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