遠い君



声がしたから振りかえると
あきらかに怒っている
たっくんがいた


「…何?」

あたしの手を握っている人も
突然声が怖くなった

どうしたんだろ…??


「その手、離せよ」

「なんで??」

もはや、あたしが入り込めない空気になっている

「彩音が嫌がってるから」

「そんなの、
本人じゃなきゃわからないよ?

…俺のこと、嫌い??」

いきなりあたしに話がふられた

「いや、別に嫌いじゃないけど…」

あたしは、曖昧な返事をした



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