記憶 ―惑星の黙示録―


魔術にしても、
魔法にしても…。

妖精も、精霊も…。


死後の世界、
三途の川…
その向こうに綺麗な花畑。


人の想像だけで産み出した物ではない、と。


『魂』の記憶に…、
人の想像が加わった物だ、と…

実際に、
近いものが存在するのだと…。


この人は、そう言いたいんだ。


その事に、
人々は…私たちは気付かない。

この場所に戻り、
初めて全ての糸が繋がる。
そして…
また、忘れていく。


繰り返される事象。

これが、
世界の『秘密』…



「…キースも、そんな事言ってた…。記憶が消されちゃう…って、忘れちゃうって…」

言葉を失った私の横で、ハルカちゃんが呆然と呟いていた。

ハルカちゃんがリュウさんの説明全てを理解したのかは、分からない。

しかし、
その言葉は私にとって追い討ちだった。


ワン!
『…キース、俺たちの事を忘れちゃうって、言ってたな!…でも俺、探すって約束したんだもんッ。』

「…コン、あんまり分かってないでしょ。無理に話合わせようとしなくてもいいよ…?」

『――むぅッ!!ちょっと分かったもんッ!ひどい、ハルカ。』


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