記憶 ―惑星の黙示録―


ここまでを説明したリュウさんだって、そこまではさすがに話さないだろうと…。

それに、
一人一人の情報なんて分かりゃしないだろうと…

そう見ていた。

これ以上、理解出来ない内容は出てこないだろう、そう思っていたのに。


「んー、どれどれ。」

リュウさんはそう軽い言葉を出し、身を乗り出してコンちゃんの額に触れた。


「…あぁ、コンちゃんはなぁ…。今の姿の前、…これは奈央ちゃんと同じ世界だなぁ。」

『ナオと同じッ!?』

リュウさんは目を閉じ、コンちゃんの頭に手を置いたまま…
まるで、その光景が見えているかの様に答える。


「…でも時期は…、今の奈央ちゃんの世界より少しだけ先だな。」

『…先?』
「未来って事?」

首を傾げるハルカちゃんたちに、ニコリと頷いた。


「少~しだけ未来だ。」

「…未来…?コンちゃんは、未来から過去に転生したというの!?そんなこと…」

信じられない。

納得出来ずに透けた顔を歪める私に、リュウさんは頷く。


「…想いは…時空を越えて、運命の糸を紡ぐ…。時間はな、生きる者にとっては縛られる物でも、世界にとっては無意味だ。」


< 164 / 262 >

この作品をシェア

pagetop