記憶 ―惑星の黙示録―


「で?で?男の子?女の子?」

そう聞く絵美に、「未だ分からないでしょ」と突っ込む私。


「うん、でも…。名前はもう決めちゃったんだ~!」

「性別分かんないのに?」

「うん」と頷く愛里に、どっちでも可な名前なのかしら?とワクワクして待っていた。


「――…遥。」


「……ハルカ?」

そう私が聞き返した。


「うん、私と梓で決めた。遥か彼方から…私たちは出逢う運命だったから……なんて、呆れる?」

愛里は肩をすくめて私たちの顔色を伺った。

「お熱いこと…」

絵美はそう笑っていた。


遥か彼方で、
出逢っていた二人。

再び繋がる運命…

遥か彼方…



「……ハルカ…ちゃん?」

それは、
無意識に私が呟いた名前。


「遥くん、かもしれないよ?」

絵美はそう言ったけれど。



「…いや。私、絶対…女の子だと思うんだよねっ。絶対ッ!」

そう自信満々に言い切った。


「「え~?」」

「いや、絶対!なんか分かんないけど、絶対なんだってっ!」

にやにやと笑う意地悪な二人に、子供みたいにムキになって声を大きくしていた。


その理由は、

私にも分からないんだよ。


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