記憶 ―惑星の黙示録―
きょとんとするハルカちゃんには目もくれず、
私は「それ」から目を逸らせない。
私の『嫌いな物』。
1、動物。
2、虫。
3、子供。
…「1」が、居る…
「3」に、リュウも当てはまるはずだけれど…
どういうわけか、リュウに対しては嫌悪感を抱きはしなかったのだ。
でも、
…「1」は…
ワンッ!
ハッハッ…と息を漏らしながら、犬は私へとじりじりと向かってきていた。
「…大丈夫?ナオちゃん。この子、噛んだりしないから平気だよ?」
ハルカちゃんが私にそう言いながら、首を横に傾げた。
…そんなの犬にしか分からないじゃない。
言葉が通じるわけでも有るまいし…。
私は、さらに後ろへと身を引く。
「……ムリッ!犬ッ!」
すると、
ほら言わんこっちゃない。
ウゥゥ…
黒い犬は、そう私に牙をむいた。
「……!!」