記憶 ―惑星の黙示録―

それなのに、
ここにいる妖精、ハルカちゃんは年齢も姿形も人間の私と全く同じ様で…

私の想像を遥かに越える。
なんで、私こんな「夢」を見てるんだろう。


なんにしても、
ハルカちゃんとコンちゃんの境遇は、大体…分かってきた。

一番の謎で、
重要なのは、アランなのよ。



「…私は、これからどこに連れてかれるの…?」

さっきの一件があってから、正直アランに話し掛け辛い。
それでも、これだけは聞かなくちゃ…と、恐る恐る結局昨日聞けずじまいの質問に戻った。


「…ん~、少し先に大きな河があって、それを越えて~、花畑でリュウを探す、かな?」

そう首を捻る変わらぬ態度のアランの回答は、答えであって答えじゃない気がする。

私が途方に暮れていると、アランは急に何かを思い出したかの様にポンと手を叩いた。


「奈央!さっきの『暴走する風に慣れてる』って話ね、俺の名誉の為に言っとくけど~…」


え?そこ!?
どうでも良くない?俺の名誉。

そんな私の心の声を無視して、アランは話を続けた。


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