記憶 ―惑星の黙示録―


徐々に白く白くなる街から出ると、一気に昼はやって来た。


「…わぉ、間一髪。」

そんなアランの声で振り返ると、今まで歩いていた街並みは跡形もなく消えていた。

そこに残るのは…、
元々ある何とかっていう鉱山と、広い雄大なただの茶色い土地。

あの街、
こんなに広かったんだ…。

私は瞳を見開いて、一瞬の内に変貌をとげた世界に驚いていた。


「…あぁ~あ、沢山の風ごと『あっち』に帰っちゃった…。おじぃちゃんが何とかしてくれるかなぁ…?」

ぽかんと口を開いたハルカちゃんが、青い空の下でコンちゃんと首を傾げ合っている。


「…おじいちゃん?ハルカちゃんのお祖父ちゃん?」

『――森のじぃちゃん!』

わけの分からないコンちゃんの返答に、ハルカちゃんがクスクスと笑いながら私に言う。


「あたしの世界の話なんだけど…。『迷いの森』の番人の『樹の精霊』さん。」

……今度は、精霊?


「精霊さんが風を仕えてるんだよね…」

『――そゆことッ!』

…ダメだ…
理解に苦しむ…。

そもそも、
私のイメージでは…。
妖精も精霊も完全にファンタジーで、仮に存在していたとしても『小さい』イメージなの。
ふわふわ浮いてるかんじ?

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