サナギとセカイ
「オッサ、うわっ!」


ひゅいっと尻を撫で上げられる感覚。


「いい形の尻だ。どうだ、月笠。俺の子を生んで…ぐあああ!!」


気付いた時には、オッサンの股間を蹴り上げていた。

反射的だった。


私の体はよっぽどこいつの子供を生みたくないらしい。


「つ、月笠、やり過ぎだ…」

「るせーよ!ぶっ殺すぞヒゲ!」

「今、男として殺されかけたわ!!」


股間を押さえて、床をのた打ち回る大の男。

情けねー。

こいつ目的で、ウチに来店する女どもに見せてやりてぇな。


「あ、でもちょっとカ・イ・カ・ン」

「死ね」


気付いた時にはまた反射的に、私はオッサンの股間を踏み抜いていた。

今度は声も出せず、悶絶してる。

そのうち泡とか吹くんじゃねーか?


「つーかよォ、んなばっちいモンを何度も乙女に踏ませてンじゃねーよ」

「うるさいうるさい!誰が乙女か!乙女は黒など付けたりせんわ!!」


カチン。


「おい、オッサン」

「その蔑んだ眼…た、堪らん」

「股間出せ。沸騰した油で気持ち良くイカせてやる」

「洒落になりませんっ!!」


< 24 / 29 >

この作品をシェア

pagetop