サクラミチ。

「はぁ、なんであんたが謝んのさぁ。」
「えっと、わたしが日向君を愛奈さんから…。それで、愛奈さんにいやな思いさせちゃったのかなって。だから・・・」

（ハッ、こんなこといったら、ますます傷ついちゃうｯ）

愛奈は一回溜息をして言った。

「ハハハ。あんたは、ほんとにお人よしだねぇ。それがあんたのいいところなんかねぇ～。だから、日向も…」

だんだん小さくなっていった愛奈の声が鈴夏にはあまり聞こえなかった。

「よぉーし、本題、本題★ねぇ、あたしも、そっちにいっていい？」
「え。」
「あたしも鈴夏とかと一緒にいたいんだぁー。」

いじめたのに一緒にいたい・・・。
鈴夏はおかしいと思ったが、笑顔や雰囲気がいじめてきた人とは思えないほど優しくて。
一番に、「一緒にいたい」
その言葉が鈴夏には嬉しくてたまらなくて、元気いっぱい答えたのだった。

「これからは、女としてのアドバイスをガンガンしてあげるからね♪」
「はいっ、よろしくお願いします。」

鈴夏の笑顔を見て愛奈は思った。
日向は、この笑顔が大好きなんだなぁ、と。
少し目を閉じて自分を落ち着かせて教室をでたのだった。

「こりゃ、勝てないわあ・・・。」