妹系男子。
リン「良いなぁ、羨ましいなぁ」
「言ってろ、言ってろ」
こいつは譲りそうにない
「じゃ、俺クラス戻るから」
リン「おう」
「ちゃんと自分で買えよ」
リン「わかってるって」
そいつはパンを買った別の友達と帰った
――チョコパン食いたい
一回見ちゃったから頭から離れない
俺の喉はあの甘さを欲している
人気が無くなったところでやっとパンを選びに行った
人気商品は固定化してきているから
いつもと同じ商品が残っている
あんパンとカレーパン
……どっちもどっちだなぁ
「……あの」
誰かが俺を覗き込んだ
リン「…はい??」
髪は長くて黒くて
うつむいているから表情はうかがえない
眼鏡は見えた
「あんパンを買われるんですか??」
リン「…いやぁ、そういう訳じゃ…」
でも昨日カレーだったしな
カレーパンは買いたくない