妹系男子。



ユカの水分を含んだ吐息が近い


言葉にならない音が耳にあたる



リン「発情期の猫かよ、病気じゃん」

ユカ「麟太郎ぉ」


リン「はいはい、キモいキモい」



その手は桑名の焼き蛤


ユカ「…ムードぶち壊し」

リン「元々なかっただろ」


発作は止まりユカは座り直した



リン「うちの生徒かな」

ユカ「だろうね」


この時間帯のこの方向
遊具の中にいるから見えないけど


駄目だとは思いつつ聞き耳を立てる



「…そうだね…」
「…嫌いじゃないけど…」


やたら声が小さくて所々しか聞こえない


ユカ「何、修羅場??」
リン「さぁ、どうかな」


暗い雰囲気
せっかく二人で帰ってんのにね



ユカ「……嘘」

リン「あっ、おい!」


ユカが遊具から顔を出していた


リン「戻れって!」

服を引っ張っても戻ろうとしない


人のプライバシーは
侵害しちゃいけないというのに



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