妹系男子。



まだ幼かった俺達は
回りの大人達の力を借りて
その後の色々な手続きをした



父さんと連絡が取れたのは深夜

そして次の日の早朝に病院に到着した



父さんは死に際の母さんの話を聞くと
病室の母の所へ向かった


その時の父さんの表情と涙と
声の震えは忘れることはないだろう



………



………



母さんの葬式の日は晴れていた

雲もなくて
太陽が強く輝いていたのを覚えている



形見分けする程
裕福ではない俺達だけど

母の身近にあった物を
目立つ所に置くことにした



そして鈴の部屋に置くことにした
母の鏡台から封筒を見つけた

俺達三人に宛てた手紙


……遺書??



鈴と二人で開けた封筒からは
懐かしいあの花の香りがした

俺達は手紙に一通り目を通すと
中の何かを逃がさない様に素早くまた封筒を鏡台にしまった



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