妹系男子。
埃の誇り。
イチ
*
「冷たっ」
バケツの水に写る自分
満足気に見えなくもない
「麟太郎君、頑張って!」
林さんです
可愛い彼女の声が応援するのだから
冷たい、なんて言ってられない
リン「はい、持って来たよ」
ここは廊下
あの屋上へと繋がる道
やっぱり冷たさは変わらなかった
バケツの水に雑巾を浸し
廊下の端から反対側の端へ
小学生みたいに雑巾がけ
……まぁ小学生の頃はほうき派で
雑巾がけなんてやった覚えないけどね
アキ「あんまり怒られなくて良かったね」
林さんが笑顔を向ける
……そうかな
俺はなかなか気が滅入りましたがね
リン「先生若いから解ってくれたんだよ」
頭が堅い大人っているよね
年齢が関係するかは微妙だけど
アキ「あの先生、D組の先生??」
俺はうなずいて見せた
前言撤回
年齢なんて関係ない筈
だって担任若くないし