妹系男子。
埃の誇り。

イチ






「冷たっ」

バケツの水に写る自分
満足気に見えなくもない



「麟太郎君、頑張って!」

林さんです

可愛い彼女の声が応援するのだから
冷たい、なんて言ってられない



リン「はい、持って来たよ」



ここは廊下
あの屋上へと繋がる道

やっぱり冷たさは変わらなかった


バケツの水に雑巾を浸し
廊下の端から反対側の端へ

小学生みたいに雑巾がけ


……まぁ小学生の頃はほうき派で
雑巾がけなんてやった覚えないけどね



アキ「あんまり怒られなくて良かったね」

林さんが笑顔を向ける



……そうかな

俺はなかなか気が滅入りましたがね



リン「先生若いから解ってくれたんだよ」

頭が堅い大人っているよね
年齢が関係するかは微妙だけど


アキ「あの先生、D組の先生??」


俺はうなずいて見せた

前言撤回
年齢なんて関係ない筈


だって担任若くないし



< 676 / 713 >

この作品をシェア

pagetop