プリンセスの条件

「あ、歩けるよ!あたし!!」


ワンピースの裾から覗く太股に翔太の腕が直接触れて、触れた部分に身体中の熱が一気に集まる。


ジタバタ暴れていると、翔太がズンっと自分の顔を近付けてきた。


「じっとしてろ、病人。このままベッドに押し倒すぞ」


ピタッと動きを止めたあたしに満足したのか、翔太は優しく笑って部屋のドアを開けた。


ベッドに向かって一直線。

一歩、また一歩とその距離が縮まる度に、あたしの鼓動も大きな音を立て始める。


太股から直接伝わる翔太の体温。

とても心地良くて温かい。


もっともっと感じたい、……翔太の温もり。


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