プリンセスの条件
「あたし……やっぱ病気かも」
翔太の胸に身体を預けてポツリと呟くと、
「今更何言ってんだ。早く寝て治せ」
翔太が呆れた顔をしながら、あたしをベッドへ寝かせた。
おでこに触れた大きな手。
あたしの前髪をかきあげて、そのまま優しく頭を撫でる。
「……治んないよ、寝ても」
「薬飲んで寝れば、すぐよくなる」
「治んない……」
「頑固だな、ほんとマイは」
治らないよ、翔太。
だってきっとこの熱は……
翔太のせいだから……。