SHINING
呼び掛けの対象は…
キンコンカンコン…
古臭い金の音に

ふぁ〜…
盛大な欠伸を返す。

「嘉瀬君おはよう!」

その呼び掛けに
俯き加減で歩く慶吾が振り返る。

「…須田…心拍数高過ぎ…」

「ん?」

「…何でもねぇ…」

並んで歩き出す慶吾を
見上げる。

「どうして下向いて歩くの?」

「…そのお蔭で須田が視界に入る…須田は胸張り過ぎじゃねぇ?」

「そのお蔭で…
嘉瀬君を見つけられたでしょ?」

「あっそう…」無機質な相槌を打ち

「…そういや…
目は口程にモノを言うか…」

何か考え慶吾は
腰を曲げ顔を覗き込んだ。

「けど…さ、
目より体の方が正直だよな!」

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