SHINING
一人納得し何事もなく
歩き続ける慶吾。

「どっ…どういう意味?」

「顔…赤い。
須田は全身で会話するんだな…」

「意味分かんない…」

「もっとポーカーフェイスの奴に頼んだ方が良いのか?」

考え込む慶吾の腕を引き寄せ。

「私が…
嘉瀬君の頼み事なら私が…
全部引き受けるから…。
他の女の子と…これ以上…
仲良くならないでよ…」

最後は消え入りそうな声で
慶吾の腕を強く抱き寄せ俯く。

「誰も…女とは言ってないけど」

顔を上げ慶吾を見上げる。

「現金…意気消沈が一言で浮上」

「えっ?」

「それ…」

空いた片手で
自分の腕を指し示す。

「誘ってる?」

緩んだ腕を引き抜き。

「だったら…悪いけど…
俺には他に大事なモンがあるから…その気は無い!」

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