SHINING
慶吾はゆっくり視界を巡らせ、
目の前にちょこんと屈み込み
目を見開く女の姿を捉えた。

「行かせて貰ってるなんて…。
私…思ったことも無かった…」

「それが普通だと思うよ…。
俺は施設出だから本当なら中学を卒業と同時に自立して就職してた…けど先に自立してた兄貴分達が身元保証人になってくれてんの」

「嘉瀬君が優秀だからだね?
理数系なのに運動神経も良くて…何にも取柄の無い私には眩しい」

慶吾の目はある一点を捉えたまま動かず凝視している。

「…んなこと無い…。
役に立ちたいって焦ってんのに…いっつもガキ扱いでムカつく」

「嘉瀬君がガキなら…私なんて…お子ちゃまも良いとこだね?」

「…でも無いんじゃない?」

「えっ?」

瞬きを繰り返す彼女に

「ご馳走さま…」

呟いて立ち上がる。

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