―黒蝶―
そのとき、微かだけど七瀬の声が聞こえた。

「七瀬?」

「ん?目が覚めたのか?」

「多分、声が…」

「声?」



俺は駆け出して七瀬の下へ行った。

七瀬の姿を見つけると、思わず名前を呼んでしまった。


そして、俺が黒鳥を辞めた理由を話した。

すると、七瀬は難しい顔をして再び発作に襲われた。



近くにいた女…美羽だっけ?

彼女に薬を渡されて、飲んで、七瀬はゆっくりと眠った。



彼女がゆっくりと口を開いた。


「七瀬さん、あなたのことですっごく悩んでました。あなたへの…気持ちに」

「は?」

「こっから先は言えませんが、あなたと七瀬さんには幸せになってほしいです」


< 103 / 150 >

この作品をシェア

pagetop