―黒蝶―
土手を走って上に上がり、アタシはみんなに向かってお辞儀をした。


涙が溢れそうになるのを、必死でこらえながら…



―そして


アタシはその日のうちに、美羽ちゃんと刹那くんに送ってもらった。

美羽ちゃんも雨龍に行くらしい。


雨龍のアジトにつくと、紅葉さんがグループの仲間を連れて出迎えてくれた。



「しばらくぶり!七瀬ちゃん!美羽ちゃん!」

「「お久しぶりです」」



紅葉さんは少し悲しそうな顔で、アタシたちの頭を撫でた。

このときのアタシにはまだわからなかった。


紅葉さんの悲しそうな顔と、大きな餞別の意味を…


こんなにも残酷なことだなんて、

夢にも思っていなかったんだ...

< 111 / 150 >

この作品をシェア

pagetop