―黒蝶―
耳を疑った。

確かに今、蓮の声が聞こえた…


辺りを必死に探す。

でも、蓮はいない…



幻聴だったんだ…


アタシは力なく砂浜に倒れこんだ。



ザザザザンンッッ...



波の音が耳を切なく通る。


サクッ...


小さく遠くで、砂浜を踏みしめる音が聞こえた。

その音は徐々に近づいてきた。


もしかして…


アタシは振り向いた。

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