幸せの条件
 奪うように夏子から古着をもらい、レジに持っていく。

支払いを済ませた私は、夏子に紙袋を渡した。

「お礼よ。おもしろい世界を教えてくれたからね。」

「あ、ありがとう・・・。」

「夏子といると楽しいわ。」

私は、にこっと笑う。

「私を振り回してくれるからとっても新鮮よ。」

「普通じゃない?」

「ううん。皆もあれしたい、これしたいとは言うけど結局、私のになるわ。」

「それって自慢?」

私は、ブスッとした夏子を見てフフフと笑う。

「最後まで貫いてって話よ。」

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