幸せの条件
 フラフラになりながらも友馬の顔を見に行き、ホッとした私は、待合室のソファに座った。

「・・・片瀬さくらさん?」

私は、ゆっくり顔を上げる。

若い男が立っていた。

「これ、先輩のです。」

差し出されたのは立派なカメラだった。

「あの日、僕の役作りのため、一緒に山登りしたんです。」

「・・・そう。」

「先輩、どうしても見せたい人がいるって写真をいっぱい撮ってたんです。」

私は、カメラを受け取った。

ずっしりと重かった。

「・・・お~い!」

若い男が振り向く。

数人の男が手招きしている。

ペコリと頭を下げて若い男が走っていった。

私は、カメラを見つめる。
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