幸せの条件
 「お母さんがこんなことをしているなんてちっとも知らなかったわ。」

「お母さんは身体が弱いから。」

姉は、封筒を手にする。

「何か生き甲斐を持ってないと・・・。さくら、ここ行った?」

私は、首を横に振った。

「前は海、後ろは山。いい場所よ。私が居た頃・・・。」

姉の声が震えはじめる。

「電話をしたらお姉ちゃんのこと、今でも覚えてるって。この施設から巣立つ子どもたちは皆、幸せになるとも言ってたけどお姉ちゃんは?幸せ?」

「もちろんよ。温かい家庭に素敵な家族。」

「そう思ってるんだったら私に話してくれてもよかったんじゃないの?」

「怖かったのよ。さくらに知られるのが1番・・・。」

「お姉ちゃん!隠し事されてたのも頭にくるけどお姉ちゃんが私との絆を軽く思ってた方がムカッとしてるの!」

私は、軽くテーブルを叩いた。

「あのね、血が繋がってなくてもお姉ちゃんは私のお姉ちゃんに変わりはないわ。今までもこれからも。」

「さくら・・・。」

姉の大きな体が揺れていた。

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