幸せの条件
目が覚めても
 父の容態は変わらず、友馬もまだ意識が戻らない。

私は、会社の昼休みに姉を呼び出した。

病院では話しにくいので近くの和食屋で待ち合わせをする。

「・・・お待たせ。」

姉が約束の時間より10分ほど遅れてきた。

食事をしながら少しどうでもいい話をする。

「・・・ねぇ、お姉ちゃん。」

私は、話したいことを切り出すため真顔になる。

静かに封筒を姉の前に置く。

「私、初耳だったわ。」

姉の視線が封筒の下に書いてある施設名に釘付けになった。
< 166 / 202 >

この作品をシェア

pagetop