幸せの条件
 ピンポーン・・・。

日曜日の朝、玄関のチャイムが鳴った。

ピンポーン・・・。

もう1度、チャイムが鳴る。

私は、タオルで涙を拭きながらドアスコープを覗く。

背広姿の男が2人立っていた。

チェーンを掛けたままドアを開ける。

「・・・片瀬さくらさんですね?」

若い男がなにかをチラッと見せる。

警察手帳だった。

「署の方へ一緒に来ていただけませんか?」

警察のお世話になるようなことはしてない。

「・・・着替えてきます。」

「分かりました。じゃ、車で待ってますので。」

私は、ゆっくりドアを閉めた。

< 21 / 202 >

この作品をシェア

pagetop