幸せの条件
 「・・・さくらちゃん、お部屋は片付いた?」

母が私の様子を見にくる。

私は、マンションから実家に引っ越した。

父の言うことは絶対だ。

部屋を見渡した私は、ため息をつく。

今日から母屋の2階の16畳のこの洋室が私のお城。

「さくらちゃん、下でお茶にしない?」

母は、私が帰ってきたのが嬉しいらしい。

「・・・うん。」

私は、母と一緒に1階へ下りていく。

私は、また鳥かごに閉じ込められた鳥・・・。

もう2度と逃げられない。

もう自由に飛ぶことは出来ない。
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